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副住職のつぶやきシリーズ①

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yathâpi  bhamaro  pupphaṃ  vaṇṇagandhaṃ  aheṭhayaṃ  /

paleti  rasaṃ  ādāya  evaṃ  gāme  munī  care.(Dhp.49)

ミツバチは、花から色と香りを損なわず味だけを取って飛び去る。

その様に、賢者は村で托鉢を行じなさい。

 

これは出家者に対して、お釈迦様が托鉢の心得を説いた詩ですが、私達にとってもバランスの大切さを教えてくれている詩です。

インドの出家者は食事もお布施に依って得ます。今日も頂かなければいけないし、明日も頂かなければいけない。今日お腹がペコペコだからといって、お布施する家が傾くほど頂いては自分の首を絞める事になります。一時の欲望で行動してしまうと巡り巡って自分にとっても悪影響を及ぼす。身に覚えのある話です。

そして花はミツバチに蜜をあげる代わりに花粉をつけて、新しい場所に繁殖していきます。決してどちらかが搾取している訳ではなく、依存関係にあります。出家者と在家者も然り。

それと同じ様に私達の社会のあり方も同じだなと感じます。自分の権利ばかり行使しては潰し合いになりますが、「お互い様」であれば共存して生きていける。当たり前の事ですが、忘れやすい事です。